インターネットに生きるものにとって快適な回線というのは澄んだ水のようなものなのです。
自室のネット環境があまり快適ではなかったのでどうにか改善できないかと試行錯誤していたのですが、最終的にMoCA 2.5という日本では普及してないであろう規格にたどり着いたので備忘録的に残しておきます。
ことの発端
最近なんやかんやあり戸建住宅を購入しました。注文住宅ではなく建売の住宅を購入したのですが、情報コンセントなどのネット関連設備は充実していませんでした。一方で最近はリモートでの仕事が多いこともあり、自室に快適なネット環境を用意する必要があります。
最初はMesh Wi-Fiでどうにか自室までカバーできないかといろいろ試していたのですが、速度と安定性の面で満足する品質が確保できませんでした。ONUとMesh子機の間の通信が安定していないのか、”Wi-Fiにはつながってるけど通信はできない”なんてことが起きてました。なんでや！
当初のネット環境。すべての部屋にCD管を通していてくれれば、、、
家庭内LANの有線化を検討したのですが、上の図の通り、ケーブルを通せるCD管の出口がリビングにしかなく、自室までケーブルを引こうとすると壁紙をはがしたり、断熱材をはがしたり、ともかく家を破壊しながらじゃないとケーブル敷設ができないということでした。工事費用がかかる＆新築の家を破壊したくないという理由で既に敷設されているTVのアンテナ線（同軸ケーブル・Coax）を流用できるMoCA規格のネットワークアダプタを導入しました。
MoCA
Amazonで発見しました。MoCAは主にアメリカで使用されている規格だそうで、家庭内の同軸ケーブルを使用して、ネットワークを構築することができます。以下はAI君に説明してもらったMoCA規格概要です。
MoCA（Multimedia over Coax Alliance）は、家庭内のテレビケーブルや同軸ケーブルを使用して、高速なデータ通信を実現するための規格です。MoCAは、インターネット、ビデオストリーミング、オンラインゲームなどの多くのデジタルメディアを効率的に家庭内で共有し、配信するために使われます。
MoCAの歴史は、2000年代初頭に遡ります。当初、アメリカのケーブルテレビ業界向けに開発され、特に高品質なビデオ信号の伝送に焦点を当てていました。しかし、その後、MoCAは高速データ通信やホームネットワークの機能を追加し、家庭内の異なるデバイスがスムーズに通信できるように拡張されました。
MoCAの主な特徴としては以下があります：
- 高速通信: MoCAは同軸ケーブルを通じて高速のデータ通信を提供します。これにより、インターネットの高速化や高品質のビデオストリーミングが可能になります。
- 信頼性: MoCAは信頼性の高い通信を提供し、電波干渉や壁の厚さに左右されず、安定した接続を維持します。
- 簡単なセットアップ: MoCAは既存の同軸ケーブルインフラストラクチャーを使用するため、新しいケーブルの敷設や設定が不要です。
- セキュリティ: MoCAはデータのセキュリティを確保するために暗号化技術を使用し、プライバシーを保護します。
MoCAはアメリカを中心に普及し、ケーブルテレビプロバイダー、ホームネットワークデバイスメーカー、一般のユーザーによって広く採用されています。特に、多くの家庭で複数のデバイスが同時にインターネットに接続される需要が高まる中で、MoCAは家庭内ネットワークの効率と信頼性を向上させる重要な技術となっています。
ChatGPT
今回は以下の製品を買ってみました。アメリカからの発送だったため、１週間ほどで届きました。
２個パック。25kしたのでトラブルなく動いてほしい。
MoCA 2.5の”2.5″は規格のバージョンで、今は3.0まで策定されているようです。2.5の規格では最大で2.5Gbpsの速度で通信できます。単芯で？！
上記の製品にはLANポートが２つとTV用のパススルーのポートが付いているので、自分の環境だと分配機やスイッチングハブなどを追加購入する必要がありませんでした。
接続は付属のLANケーブルおよび同軸ケーブルをONUと壁のTVアンテナに接続するだけです。
シン・家庭内ネットワーク環境。
接続後は電源を入れただけで通信が開始できます。特に設定を変更する項目もないので、早速自室で速度を測ってみました。
MoCAからLAN→USB-Cで接続後測定。はえぇ～～～～
有線での接続で700Mbps以上出ています。速い！ONU直結でもほぼ同じ速度なので、しっかり通信できているようです。無線でも600Mbps近く出ており、ONUとMesh子機間の通信というボトルネックが解消できたようです。満足。
TVアンテナは各部屋に来ているので、将来的に別の部屋で有線ネットワークが必要になってもすぐに利用できそうです。
テレビに関しても特にトラブルなく使えています。注意点なのですが、MoCAで使用する周波数帯は衛星放送の周波数帯と被るらしく、衛星放送を使用している場合は影響があるそうです。今のところ導入予定はないので自宅では気にしないこととしました。
これでようやく家の中どこでも同じSSIDが使えて高速なインターネットを使えるようになったので、ますますガジェット類が手放せない日々が続くと思います。
まとめ
自宅のネット環境を改善するために、Amazonで見つけたMoCA規格に対応したネットワークアダプタを導入しました。結果、自室のネット環境が大きく改善しました。やったね。
もとから情報コンセントの敷設など、しっかりとネットワーク関連まで設計された家であればこれらの機器は不要ですが、自分のように後から有線環境が必要になった方は是非試してみてください。